徒然備忘録

どうでもいい雑記。

オタクと文脈

パブロ・ピカソの「ゲルニカ
この作品を語ることは一般的には難しいとされている。
一方、この作品に陶酔し評価する人々も大勢存在する。f:id:godin:20141104202943j:plain

芸術作品は、ハイコンテクスト・カルチャーの最たるものの一つ。
審美眼を持つ人間、芸術を評価できる人間が「ゲルニカ」を観た時、
彼らの目にはなにが視えているのだろうか。

芸術作品を評価する時、彼らは絵を一つのパーツとして理解する。
絵の裏側に隠された文脈、テクストを読み取ろうとしている。

それは、政治情勢であったり空襲の降る町の風景であったり、
またピカソ本人の生い立ちや人間性、心情であったりする。

審美眼を磨くということは、つまるところ芸術史・文化史など史学について精通することだ。
知識のない者が芸術を鑑賞したところで、それはただの絵でしかないのだ。
知識を蓄えることで裏側に隠されたテクスト、文脈が浮き彫りになっていく。

芸術作品のように、ハイコンテクスト・カルチャーは時代を踏襲し象徴する特徴がある。
つまり、時を超えて残り易いということだ。

同じハイコンテクスト・カルチャーに「萌えコンテンツ」がある。
萌えコンテンツは果たして後世に語り継がれることになりえるだろうか?
今の段階では誰にも判断がつかない。
歴史は、全て後天的に評価される。
もしかしたら数百、数千年の時を経て、我々の享受するオタクコンテンツが
芸術作品として理解されるような未来もあるのかもしれない。