徒然備忘録

雑記。

エロゲーのOPを振り返りたくなった(激重)

今となっては当然のように、エロゲーにはOPムービーが搭載されている。
これは単に普及しているPCのスペックが上がった結果である。
現に、15年ほど前のエロゲーにはほとんどOPムービーがなかった。
(プログラム上で動作させるOPまがいのものは存在した)

 

2004年頃にはPCのハードディスク容量もゲームに耐えうる程度には増え始め、
スペックにもある程度の余裕が生まれた。
さらにDVDというメディアが主流になり始めたことで
OPムービーの搭載は標準化されることとなる。

OPムービーの内的な話をすると、現2016年のものと比較しつつ
過去から遡ってみると、単純な演出的な進歩に加えて、
デザイン性の向上には目を張るものがある。
これはエロゲーというジャンルを超越して、オタク市場における
デザイン分野(ムービーだけではなく、DTP全般)が
重視され始めた頃と機を同じくしている。

2000年中期~後期のエロゲーのムービーは、
多かれ少なかれアニメーションを取り入れたものが多かった。
これは製作者側がアニメ業界を意識していたからなのか、
単にバブリーな時代だったからかは解らないが、顕著である。

2010年台になると、エロゲー業界の規模縮小とともに
アニメーションがメインのムービーは身を潜めていく。
代わりに台頭してくるのが、3Dとモーショングラフィックスだ。

3Dは単にPCスペックの向上と、ソフトウェアの発展による恩恵といっていいだろう。
モーショングラフィックスとは、2005年頃から"URA氏"が
ムービーにいち早く取り入れていた手法であるとされる。
アニメーションではないものの、オブジェクトを動かすことで
視聴者に飽きさせず”なんとなく”派手な出来に仕立てあげることができる。

アニメーションに変わって安価な3Dとモーショングラフィックスによって
2010年台のエロゲー動画は作られていくことになる。
(とはいえ、お金のあるところはあいかわらすアニメを採用していた)

それでは、この辺のムービーの転換を意識しながら遡ってみましょう。

 

2000年

AIR/Key


プログラムで作られた”ムービーっぽいもの”の代表例である。
静止画を一枚一枚差し替え、文字を表示しているだけに過ぎないが、
このようなプログラムのOPですら搭載されていることが
少なかった当時としては革新的だった。
 

2001年

吸血殲鬼ヴェドゴニア/ニトロプラス

この時期から既に3Dを採用していたニトロプラスは、
当時から前衛的だった。

 

2002年
BALDR FORCE/戯画

 

所謂エロゲーらしいムービーがようやく現れ始める。
作成者である神月社氏によれば、この時代はまだOPムービーの必要性について
各メーカーは懐疑的であったらしい。
BALDR FORCE」の当ムービーが話題となったことで、
仕事をもらえることが多くなったという。

 

Wind -a breath of heart-/minori

BALDR FORCE」とは対照的にアニメーションがメインとなっている。
当時はまだほぼ無名であった新海誠氏によるアニメーション

なお、私は「はるのあしおと」OPムービーが新海誠の最高傑作だと信じている。

 

2003年

大番長/アリスソフト

完全にTVアニメを意識したようなアニメーション構成。

ぽぽたん/ぷちふぇれっと

化物語等の渡辺明夫氏によるもの。
作風はこの頃から変わっていない。

 

2004年

Fate/stay night/TYPE-MOON

同じくTVアニメを意識したようなOP。
この頃になると、アニメーションを使用したムービーが
多くのメーカーで採用され始めている。

 

はるのあしおと/minori

新海氏によるムービー。
私は「はるのあしおと」OPムービーが新海誠の最高傑作だと信じている(二回目)

 

3Days/Lass

同年のアニメーションではないものも。
アニメではないものの、大分派手に仕上がってます。

 

2005年

いただきじゃんがりあんR/すたじおみりす

アニメーションに新鮮さもなくなってきた今日この頃、
ひっそりと話題になっていたのがURA氏のムービー。
モーショングラフィックスとキャラクターが上手いこと融合している。
このムービーを元にしたいろいろなFLASHが有志によって作られ話題に。

ToHeart2/Leaf

とはいえ、世界はまだまだアニメーション。
こちらも「ぽぽたん」同様、アニメーションは渡辺明夫氏。
TVアニメのOPと遜色ないレベルのものに。

 

2006~2007年

特に特記すべきムービーはないように思われる。
エロゲームービー史における停滞期といったらこの時期では。

 

2008年

ef/minori

特に挙げることもないような気がしないでもないが、
出来栄えの面ではやはり一線を画しているminoriのOP。
新海氏作成。

 

水平線まで何マイル?/ABHAR

特に技術的に革新的なものではないが、デザインの方に焦点を合わせてみると
かなり先見的である。
フラットデザインをいち早く取り入れ、爽やかなものに仕上がっている。
神月社氏の現在まで続く制作コンセプトの原点とでも言えるような作品だろうか。

殻ノ少女/Innocent Grey

好きなエロゲーOPムービーの集計を取ると
だいたい上位に食い込んでくる、デザイン性の高いムービー。

 

2009年

装甲悪鬼村正/ニトロプラス

この辺になってくると、PCのグラフィック性能も大分向上し、
2016年と比較してもまったく遜色ない。
3Dが取り入れられ始めている。

 

痕-リニューアル-/Leaf

対照的に全編アニメーションで頑張るLeaf
既にエロゲーの市場の縮小が始まりだし、
この頃を境にアニメーションは徐々に影を潜めていくことになる。

 

クロウカシス/Innocent Grey

アニメとは対象的なムービー。
”目を惹く”ムービーが、アニメorデザイン性の高いもの の二種類に分かれ始める。

 

2010年

魔界天使ジブリール4/FrontWing

URA氏&渡辺明夫氏のタッグ。
モーショングラフィックスとアニメーション。
オブジェクトが光るよ
 

2011年

グリザイアの果実/FrontWing

同じくURA氏&渡辺明夫氏のタッグ。
これといって進展があるわけではないのだが、
お金を持っているメーカーと、そうでないメーカーの差が
ムービーだけを見ても顕著に出るようになってきている。

 

AQUA/AORAHANE

3Dが台頭してきたのはこの辺りからだろうか。

euphoria/CLOCKUP

同じく3Dガンガン。

 

ダイヤミック・デイズ/Lump of Sugar

モーショングラフィックス系。
ラノベ宜しく明るい作風のゲームが増えたのも、
モーショングラフィックスが主流になった理由の一つだろうか。
この辺りでアニメーションはほぼ死滅している。

 

2012年

この大空に翼を広げて/PULLTOP

モーショングラフィックス
キャラクターも3D化。

 

2013年

フレラバ/SMEE

アニメーションが衰退したエロゲームービー界で今主流の、
キャラの一部を立ち絵のまんま動かすというもの。

 

2014年

特に特記事項無し

 

2015年

赤い瞳に映る世界/FAVORITE

あまりに代り映えしないので、最近のエロゲムービーはだいたいこんなん
という代表例を貼ってみる。だいたいこんなんです。

Maggoto baits/CLOCKUP

一応かっこいいのもあるよ。新しいかと言われれば新しくはない。

 

 

 

 

と、このような感じでムービーだけを抜き出しても
エロゲーの盛衰が見て取れるわけですね。
最近のエロゲーはムービーすらも
新しい方向に行きそうな気配がないのは残念だ。

にしても、やはりアニメーションの視覚への訴求はなかなかのものだなぁと思う。
アニメーションを作る余裕すらないとするなら、
デザイン性を重視した作品の登場は必然かもしれない。
これからはキャラクターではなく、デザインで魅せる時代が来るのだろうか。