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徒然備忘録

雑記。

最近のエロゲー事情について

10月30日発売のエロゲー『恋×シンアイ彼女』が炎上しているらしい。

ゲームのヒロインの一人である幼馴染のゲーム中での性格が、

どうやら今回の火種となっているようである。

 彼女のシナリオを要約すると、以下のようになる。 ※ネタバレ

かつて結婚の約束をし、自分の元を去った幼馴染を想う主人公。

自分のクラスにその幼馴染が突然転向してくる。

<物語スタート>

<中略>なんやかんやあって結ばれる。

が、唐突に幼馴染が主人公の元を去る。

幼馴染は音楽家としての道を歩んでいたが、ある時期から長いスランプに陥っていた。
主人公と再び会うことで、スランプの脱却を図ろうとしていた。

主人公と一旦は結ばれたことにより音楽的感性が蘇った幼馴染は、
無事音楽家への道へと戻っていったのである。
(一応個別ルートはここまで)


その後トゥルーEDにて、幼馴染は三度主人公の前に現れる。
二度と離れないことを誓うが、やっぱりその後また主人公のもとを去っていく。
しかも今度は「二度とあなたには合わない」という書き置きを残して。

音楽に幼馴染を寝取られるストーリーに、ユーザー大激怒!

 

まずゲーム界においての炎上は、一般的なSNSが炎上した時に起こる
愉快犯的側面における伝播性・連鎖性は低いものと思われる。
では、ゲーム業界での炎上の燃料となりえるものはなんだろうか。
それは、消費者に対する信頼の裏切り行為である。

ではこのゲームは、果たして費者の信頼を裏切ったのだろうか。


・公式が事前に”イチャラブ”を公言していた


という前提がある。
公式が事前に公言していた”イチャラブ”とは、
とにかく甘い日常生活(半ば脳死するようなレベルの)を
売りにした最近のライトノベルエロゲーにおける謳い文句の一つである。
公式が公言しているのだから、消費者は”イチャラブ”を求めて商品を購入する
のは道理であるかのように見える。

しかし本当にそうだろうか。
以前「最近はOP詐欺とか聞かなくなったな」みたいなポストを
したような気がする。
とあるラノベ編集者の記事では、
「最近の消費者は予定調和しか認められない傾向にある」
のだそうだ。

そこで俺は思うわけです。
テンプレートに則った主観的なハッピーエンドしか
受け入れることができないとするなら、
アニメもゲームも小説も、マクロに言うと虚構全体を読む・消費するって行為に
一体何の意味があるのだろうか


気づけば年月だけは長いことエロゲーをやってきた気がするが、
そこに顕著に見えるのは、ユーザー側の質の低下である。
(業界全体の質の低下はこの際置いておくとして)

前々から、エロゲーの衰退或いはオタク業界・コンテンツの衰退の原因は
ユーザーの質の低下が大きく関係していると思っている。

ユーザー(消費者)に求められる質。
それは、今は多くの人が失っている、”物語”を求める前衛的な姿勢である。

なぜ、物語を求める姿勢を失っていったのだろうか。
知識の深い浅いより、消費者が今や巨大産業となったオタク市場に
飼いならされてしまっている。

しかし問題はクリエイター側にもある。
エロゲ業界は、消費者に対して物凄く寛容であった。
もともと小さな市場に端を発したエロゲー業界は、
消費者との距離感を近づけていくことである一定の需要を確保しようとしていた。
しかし、結果的に彼らは消費者を甘やかしすぎてしまったのだ。

そこには、クリエイターの後を消費者が追うような健全な循環ではなく、
消費者の足を舐めるように、消費者のケツを追うような
逆転現象が起きてしまっている。

”消費者の期待を裏切る何か”が現れた時、
すぐに炎上してしまうSNS、ネットのインフラが整いすぎてしまった昨今、
物語が誰にでもわかりやすいテンプレートなハッピーエンドしか望まれないとなると、
それはクリエイターにとっては非常に不幸なことだと思わざるをえない。

消費者をも牽引するような魅力ある業界に発展することを願うばかりだ。